昔からXシリーズのサントラが欲しいと思ってた。
SFCつないだテレビやPSからフィンコード伸ばしてよくアナログ録音しまくっていた日々が懐かしい。
同人系のCDまで買った記憶がある。

さて、本家ロックマンもBGMが秀逸でしたが、Xに入ってからはシリアスな世界観にあわせ、BGMもギターやスラップベースを使ったロック調の曲になりました。
SFCがFCよりも音源の面で優れていたこともあり、特にX3の曲はそのまま生演奏しても十分いけると思う。X3は前二作のハイテンポな曲と比べると若干ゆっくりになった分曲の展開をじっくり味わうことができる上に、パート数が増えたため、太いギターや重低音が効いています。俺はホーネックステージの曲がXシリーズの中で最も好きなBGMです。

しかし、PSに入ってから、ややBGMが迷走します。X4は同5、6と比較されて高い評価を受けていますが、BGMに関してはシンセ主体でやや従来のロックからは離れてしまった感じがします。
X5、6では新声優の森久保祥太郎をフィーチャーする形で主題歌がまずロックになり、BGMにもギターが復活しました。特にX5のホタルニクスステージやディノレックスステージはミドルテンポなロックで、SFCには無かった独特の味わいを持っている曲です(皮肉にもゲームスピードまで過去作より低下しているが)。X6のヒートニックスステージやシグマ戦ではとうとうメタル調まで辿り着きました。

X7はゲーム自体が非常に酷評されており、エンディング曲の「LAZY MIND」以外全くノータッチです。しかし、youtubeでの動画やレビュー等からX8は比較的良作であり、BGMもギターをメインに据えたらしいので、とりあえずサントラを購入してしまいました。

というわけで、まだゲーム未プレイであるが故に、先入観無しで曲を聴くことになったので、気になった数曲を、過去作の曲と比較などしてみたい。ひたすら「原点回帰」を主張してるしね。
ちなみに、このレビューは俺の独断と偏見によるものだし、俺はギターやドラムの知識は全く無いのでそこはスルーしてください。まぁそんなギター初心者の耳がとらえたサウンドですので、ダイレクトな感想にはなってると思いますが。あとX7は曲知らないので比較対象にはいってません。

使われているシーンなどが全く分からない状態でXの曲を聴くというのは初めての経験であり、ちょっと新鮮。


1,「Theme Of "RockmanX8"」
テーマ曲ということで、使われ方は分からない。もしかして公式サイトで使われているのはこれなんだろうか?タイトルBGMは別にあるみたいだし。
さて、曲の方は、原点回帰というより、とりあえずX8はギターがメインですよということを主張するために作られたという感じです。イントロはスローテンポですが、いきなり太いギターがメインで響いてます。しかもダークな感じがかつてのシリアスな雰囲気を思わせます。
そして従来のようなハイテンポに変わってからは、それまでより1オクターブ高いギターリフが主旋律を担当し、曲をぐいぐい引っ張っていきます。途中からシンセも絡んできますが、あくまで伴奏、メインはギターという主張がしっかり伝わってきます。この辺のメロディラインのうねり具合は、過去作の雰囲気が出ており、原点回帰という感じです。それに加えて、今回はバンドのようなグルーヴ感が出ているので、これはこれでX8という個性を持っています。特に重低音の充実ぶりが、ハードの違いを実感させてくれます。
サビはまさにXシリーズといった感じで、さらにオーケストラヒットが重なって盛り上げてくれます。そして、X8では全般的に、サビの終わりなどがギターの歪みなど、余韻を利用していて、メロディラインがぶつ切り状態のものが結構あるのですが、この曲に関してはきちんと起承転結できています。
しかし、曲のラストではやはりギターに頼ってぶつ切り状態で終わっているのが残念です。この曲は他のものと違い、ループしないこと前提で作曲されたようなので、最後にジャーン!!と盛大に終わっても良かったのではないでしょうか。ギルティレベルに達していないゲームミュージックはフェードアウトで終わるしかないですが、この曲ならXシリーズBGMの新しい方向性を見出せたかもしれないだけに、残念です(別にギルティシリーズの下位互換というわけではなく、ギルティの曲の構成が普通のゲームミュージックの域を出ているという意味です)。

2,「Noah’s Park」
これはOPステージ曲でしょうか?ミドルテンポとメロディラインのおかげで、FC版後半の本家シリーズのような感じです。
確かにグルーヴ感もあり、クオリティも低くはないのですが、展開が微妙で盛り上がりに欠け、Xシリーズらしさという点ではちょっと?になります。
こういったミドルテンポで何か物足りない曲が多いX8は、オムニバスという感覚で捉えるべきですね。作曲者は、ロックとしてのギターサウンドを作ったのか、XシリーズBGMとしてのギターサウンドを作ったのか、少々迷走しているような感じでもあります。
まぁ人によっては最初から最後まで同じような曲調が続くと飽きるかもしれないので、これはこれで良いのかも。

3,「Intrusion Crabz-Y」
曲名ではシーンが分かりませんが、何かの登場演出でしょうか?
ハイテンポでのこういったメタル系の曲はX6くらいにしかなかったのですが、主旋律はシンセ主体でX2やスパデラのような感じです。Xっぽいと言われれば確かにXですが、ちょっと無理がある感じです。シンセがギターサウンドの土台に負けています。素直に主旋律もギターにすればよかったのに。
展開の無さが気になりますが、きっとステージBGMではないのでしょう。
石渡氏の言葉を借りるなら、ジャキジャキ感があって、ギターを前面に押し出した一つのメリットですね。

4,「VS Maverick」
左右に流れていくギターリフのイントロから始まる、ミドルテンポなロック。こういうリズムは今まで無かっただけに、ギターサウンドを活かそうという工夫が好印象。太いギターが下地を作り、一風変わったシンセがそれに乗っかる。
ただ、このシンセ音は好みが分かれるかも。俺は駄目だった。クセのある敵との戦闘シーンで流れることを祈る。

6,「Troia Bass〜Forwarding」
今回は同じ曲名でも2ヴァージョンあるものがあります。片方は長さが極端に短いので、おそらくデモシーン用とステージBGM用ですかね。
さて、この曲はX5のホタルニクスステージなどから始まった、ミドルテンポなロックです。これはSFC時代には無かった曲調ですね。今回はギターが今までより尖った?感じなので、ハードがPS2に移ったことで格段にクオリティが上がったシンセと共に新しいXらしさを形成しています。
X6のシェルダンステージBGMに物足りなさを感じた俺も、この曲なら満足です。

8,「Pitch Black〜Sneaking」
これは面白いなと思いました。ロックでもテクノでもなく、というかリズムは無し。シンセによって、まるでアニメや潜入系ゲームのような緊迫感のありそうな曲になっています。これは単純にハード移行での音源強化が可能にしたヴァリエーションの一つとして考えましょう。
初代の特殊ボス戦デモでながれる曲をもっと不気味にした感じでしょうか。
使われてるシーンが気になります。

11,「Inferno〜Descending」
ハイテンポなロックですが、今まで無かった5拍子?の曲。新鮮です。
ジャキジャキしてる太いギターにのってメインのギターリフが曲を引っ張ります。
クオリティも高く、曲の構成などにも問題無いのですが、メロディラインがSFC時代ほど盛り上がらない、というか投げやりな感じなので、少々物足りないといった感じでしょうか。
もっとも、曲調で主張したいことは伝わってくるので、ゲーム中で聴けばきっとすんなり受け入れられると思います。

13,「Central White」
これぞ原点回帰!!X8で最も好きな曲です。
SFC時代を髣髴とさせるようなハイテンポなロックです。
ギターと共に、X2を思い起こさせるような強烈なスラップベースがうねりまくって曲の下地を作っています。
まず、ジャカジャカしたギターならではのサウンドから始まるイントロでは、不透明感というか、不安感を煽るシンセが重なって曲に深みが生まれています。
そして徐々にメインに入ってきたギターが奏でるメロディラインは往年のXシリーズサウンドそのもの。そして最高に盛り上がるサビやブレイクパートのギターではX3のシーフォースステージのようなうねりまくるアルペジオ?が炸裂ッ!!そして2ループ目のフレーズのヴァリエーションではスラップベース暴れまくります!!
X1〜X3全ての要素を持ちつつ、X6のメタル系にしかないような激しいギターリフも加え、さらに格段に音源の質が向上したドラムが生み出すグルーヴ感は、まさにXシリーズの原点にして革命!!
AC風に言うならEVOLUTIONではなくREVOLUTION。
イレギュラーハンターXでも、初代BGMをPSPレベルの音源でリメイクするとこんな感じになってました。
一つ残念なのは、サビがぶつ切りであるということです。まぁすぐ後にブレイクパートを設けているのでまだ他の曲よりマシですが。
とにかく疾走感があるBGM。システムの方も、速いゲームスピードを期待しております。

17,「Booster Forest〜Ride Armor "Cyclops"」
これも疾走感があり、メロディラインがSFC時代のように魅力的です。それでいて、X3のようなしっかりとした低いギター音が土台になっているのですが、さすがに音源の質が向上しているだけあってしっかりとジャキジャキしています。もちろんシンセもあって、上手く調和してるあたり、原点回帰に成功してるのではないでしょうか。
しかもドラムも表情豊かで、これがギターサウンドで貫くこれからのXシリーズだと言えるほどの説得力です(スネアがややパワー不足な感がありますが)。
サビは相変わらずぶつ切りですが、この曲に関してはギターの音の使い方が上手く、ドラムも秀逸なので気になりません。

19,「VS 8Boss」
これはおそらく8ボス戦BGMでしょう。
さて、この曲がちょっと・・・。
もちろんギターが基本で、ジャキジャキしていて、某氏お気に入りのオーケストラヒットの使いどころもばっちり。ギターリフもかっこよく、シンセも上手く曲に馴染んでいるので、サビでもうちょっと展開してほしいとは思いましたが、ループ性のある起承転結もしっかりしている問題ないゲームミュージックです。
しかし、俺だけかもしれませんが、なんかボス戦時にかけられてもハイテンポすぎてちょっと置き去りにされてしまう感じがします。従来の8ボス戦BGMは、ゲームスピードに合う範囲内でのハイテンポな曲でした。これが、プレイヤーの気分を高揚させてくれていたのですが。
というのも、Xシリーズは横スクロールなので、ステージ中は常に背景が後ろに流れていきます。ところが、X2のオストリーグ以外のボス戦は部屋の中で戦うので、背景は動きません(巨大ボスであっても部屋はある程度の大きさしかない)。従って、閉塞感がある状況下で戦闘BGMが生み出すある種の「流れ」は、ゲームという極めて受け手の主体性が強いメディアにおいて、プレイヤーがその世界観に身を委ねる際に重要なファクターになると思うのです。
ちょっと抽象的な言葉になっていましたが、ゲームスピードと曲のテンポが合っていると、自分の操作するキャラクターを通して、ゲームとの一体感が得られると思います。
まぁこれは極めて個人的な感覚での話ですが、そういう感覚で戦闘BGMを聴いているので、展開の豊富さやテンポなどから、8ボス戦闘BGMで最も好きな曲はやはりX1です。まぁ、X8はまだ実際にボスと戦ってないので、実際にプレイするとまた違った感じに聴こえるのかもしれませんが。

21,「Jakob」
タイトルが起動エレベータ名なので、おそらくステージBGMでしょうか。
これは、X6のタートロイドステージのような感じのミドルテンポなロックです。
しっかりとギターサウンドで、Bメロでのシンセとの連携が見事です。
こういった、PS以降のミドルテンポの曲は、原点回帰ではないと思いますが、ここまでギターサウンドが確立されると、Xシリーズの新しい標準になりそうな感じですね。大抵明るい曲調ですが、これはアクセルの参入に合わせたやや明るめの雰囲気の反映かな。

22,「Vs Vava」
ファンが待ち望んだヴァヴァの復活です。専用BGMまで与えられて、大出世ですね。
さて、これも13,「Central White」同様原点回帰できているのではないでしょうか。ただ、X8の他の曲と比べるとなぜか重低音が貧弱で、X6のゲイトステージのように、シンセに侵食されています。
メロディラインは基本的にSFC時代を踏襲した流れでいい感じなのですが、イントロとサビ直前が前述の理由でモロにゲイトステージに聴こえます。もっとジャキジャキしてくれてれば・・・。
この曲の方が8ボス戦に合ってると思います。

25,「VS CopySiguma」
これぞPS2。
X6からのメタル系ですが、音源の向上で単純にクオリティが上がっています。
さて、Xシリーズのボスはデザインにモチーフが存在し、BGMはそれに合わせている場合が多いです。SFC時代やX5のシグマは単純にロボットという感じでしたが、X4では死神、X8では悪魔?となっています。そのため、X8でのシグマ戦BGMはスローテンポでオーケストラヒットを鳴らしまくって凶悪さを前面に押し出していますが、それに対してコピーシグマは単純にロボットという感じなので、このコピーシグマ戦ではモチーフに左右されず、SFCやX6第二形態のように、ハイテンポでプレイヤーの気分を高揚させるような曲になっています。
音源がメタル系の曲調に対応できるようになったので、「原点」よりも緊迫感が失われた分疾走間がありますね。まさに本物を控えたコピーシグマ戦にふさわしい曲ではないでしょうか。
なお、XやギルティのBGMに対し、そんなものは本当のロックやメタルじゃないと言うアンチがいますが、そういった人たちはゲームミュージックという意義が分かっていないと思います。そりゃソナタが提供するインストゥメンタルでギルティ作れたりしたら嬉しいですが。シーンに合わせて曲作るのって、声優が台本もらってそのキャラを把握するよりも難しい作業なのではないかと。

29,「VS Lumin〜The First Form」
31,「VS Lumin〜The Second Form」
さて、なんと今回はラスボスがシグマではないッ!!
シグマの顔も見飽きましたが、やはり奴がラスボスを務めてくれないと寂しいものがあります。
ま、それは置いといて。
このシグマが出ない代わりに、ラスボスを担当する新キャラ「ルミノ」は、もちろん二段変身です。youtubeで見ただけなのですが、どうやら第一段階ではレプリロイド形態で8ボスの能力を使うという新世代レプリロイドの設定を活かした戦闘スタイルのようです。
そして第二段階では、天使をモチーフとした巨大な兵装を身に纏います。
BGMは、第一形態ではオルガンが鳴り響くレクイエムのような曲で、ギターを全く使わず、第二形態では最終決戦に臨むプレイヤーを熱くさせるメタルです。
第二形態では戦闘場所が屋外?で、一面光に包まれ、巨大な翼をもつルミノが常に羽を散らすという今までにない幻想的な光景です。俺はこういうファンタジーではないけどそれっぽいSFが好きです(ゼノギアスとかね)。これは好みが分かれるところでしょうが。
そんなわけで、本来ならレクイエムは天使をモチーフにした第二形態に合っているでしょう。ま、実際に自分がプレイするとしたらやはり最後の戦いには激しい曲が欲しくなるとは思いますが。
というわけで曲ですが、「VS Lumin〜The Second Form」は、基本的にジャキジャキしまくったメタルで、シンセがうなる、俺の好きなソナタのような感じですが、サビではスローテンポになってシンセを際立たせる感じになっています。
これはちょっと残念。曲の流れを殺してしまっています。確かに神秘的な雰囲気を持たせる効果はありますが、せっかくレクイエムを第一形態に回してこちらにメタルを持ってきたのだから、サビでわざわざテンポダウンしてやったようなシンセの主張も、メタルのなかに上手く組み込んで欲しかったです。
まぁBGMとしては及第点。ただ、Aメロ・BメロのメロディラインはどちらかというとステージBGM向きのような気が。

34,「Dr.Light’s Capsule」
タイトルからするにアーマー受け取りですね。
これもシリーズ恒例のBGMで、このシーンは、Xが戦いに巻き込まれていることを嘆くライト博士の心情を表現し、毎回哀愁の漂うメロディなのですが、今回はシンセ全開の壮大な広がりを感じさせる曲です。新たな力への希望をイメージさせます。
きっと、他のゲームのパワーアップにはふさわしいでしょうが、やはり初代のフットパーツ取得時にXの運命を嘆くライト博士のセリフを見ていると、カプセル=ライト博士の苦渋の決断という風に思えるので、できれば明るい曲にはしてほしくなかったかも。
まぁ、X5以降ストーリー自体に息苦しい雰囲気が漂ってきたので、ライト博士がなんとかXに希望を見出そうとしているのかもしれませんね。





とこんな感じで長々とレビューしてみました。
全般的に、確かに原点回帰はできてますが、せっかく音源が向上してるのだからもうちょっと作りこめるのではないかと思える部分もありました。
まぁ基本的にBGMに関しては失敗してないとは思いますが、やはりゲームをプレイしてイメージを持っておかないとつまらないような曲もあります。この辺は個人の好みも関わってくるとは思いますが。

では。

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